6日目(2019.11.21)16番観音寺、17番井戸寺、18番恩山寺、19番立江寺

鱗楼 朝食

今日は朝食後、鱗楼さんに荷物を預け、16番、17番を打つ。

リュックが無いと、なんと身軽なことか。ビックリするほど早く歩ける自分に驚く。

しかし、そんな夢のようなウォーキングタイムも束の間。鱗楼さんへ戻り、今日もまたズッシリ重いリュックを担ぐ。

やや険しい山道を越え18番恩山寺を打ち

19番立江寺に到着した時は納経所が閉まる17時の、わずか15分前だった。

昨日は16番観音寺に到着したのが17時だったから、納経できなかった。

2日連続で同じ失敗をするのは避けたいという一心で、今日は太腿の筋肉痛や股関節痛を、もろともせず頑張った。

立江寺で達成感に浸っていると、1人の外国人男性が寺に足早に駆け込んできた。いきなり納経所に行ってトイレはどこかと聞き、トイレ情報を得た途端、早足でトイレへ向かっている。

なかなかトイレから出てこないので、慣れない日本食で腹でも壊したのかと案じていると、しばらくしてから笑顔で出てきた。

愛想の良い男性である。

立江寺を出て、2人で3.2km先の法泉寺付近の善根宿を目指して歩いていると、さっきの愛想の良い外国人男性が、なかなかのスピードで追いついてきた。

そして英語で「今夜はどこに泊まるの?」と聞いてきたので教えると「me too ! see you leter ! 」と嬉しそうに話し、早足で先に行った。

私達ジジババは「えーーーっ! 外人さんと同じ所でザコ寝ーーー? ヤバー! メッチャ疲れるー!」と今夜の事を案じながら、薄暗い道を歩いて善根宿へ向かった。

もう2人ともお腹がペコペコである。そしてトイレにも行きたい。

空腹と尿意を我慢しつつ1時間歩き、18時に宿に到着する。

善根宿はプレハブ小屋で、10畳ほどのキレイな所だった。無人で無料だが、布団、台所、コンロ、ポット、扇風機、ダイニングセットなどもあってありがたい。

外国人男性は、だいぶ前から到着していたようで、自分の寝袋を出し、すっかり寝る準備OKで、にこやかに私達を迎えてくれた。

愛想の良い男性である。(2回目)笑

ジジババは、とってもお腹がすいているので、本当はすぐにでも食事の準備をしたかったが、しばらく会話に付き合う。

彼は全く日本語が話せないフランス人の独身男性、セドリック。今日が35 才の誕生日らしい。3ヶ月休みをとって日本中をまわっているとの事。どこをどういう順番で回って何を見て何を食べたのか、事細かに英語で教えてくれる。

1時間程話したところで、ババァは空腹のなか頭脳を酷使する事に疲れ果て、ジジイに「kenji、are you hungry?」と聞く。

日本語で聞くのが普通なのに、自分達の空腹をセドリックに解ってほしくてヘタな英語を使うところが、実にワザとらしいクソババァである。笑

しかしそれが効を奏して私達は英会話から解放された。そして彼はトイレへ行った。

そういえば、さっき「今日は14時にウドンを食べた。食べ過ぎてお腹を壊した、さっきの寺でもトイレを借りた。」と話していた。

そしてなかなか戻ってこない。

今度はトイレ独占かーい!(汗)

15 分くらいして、無邪気な笑顔で帰ってきた彼は、再び機嫌良く話し出し、ジジババと交流を図ってくる。

ジジババは、時々分からない単語が出てくると聞き返すから、彼は安易な単語に言い換えたりして非常に親切だ。会話を続けることは彼にとっても気力と労力が要るだろうに、どうしてこんなにも交流を試みるのか。

彼は、異国で、テントや寝袋を担いで、たった1人で、地図を見ながら、歩いたりヒッチハイクをしたりしながら、寺や城を見て周っている。そして、旅費を節約する為に、ドミトリーや今日のような善根宿で、どこの馬の骨とも分からない人達とザコ寝をする事も多かっただろう。笑顔で交流する事で相手を知り、自分の正体を明かして、お互い悪意がない事を理解して、コミュニケーション不足による意地悪や盗難などの不快な出来事を未然に防ぎつつ、楽しい旅を続けてきた。

そうか、そうだよね。うんうん。ババァは、そこまで考えを巡らすと、一生懸命に話しかけてくる彼が、いたいけで、愛おしく思えてきた。

結局私達は夕食もそこそこに、地図や携帯の写真を見せ合いながら交流を図り、食べ物をやり取りしたりして、21時に消灯。安らかな気持ちで、それぞれの寝袋に潜り込んだ。

鱗楼→16番→17番→鱗楼→18番→19番→法泉寺前の善根宿

本日の歩行距離  約30.1km

1番霊山寺からの歩行距離 120.6 km

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