18日目(2019.12.6)

昨夜は無料キャンプ場の種崎千松公園に泊まった。キャンプ場の長所は、誰に遠慮することもなく好きな場所にテントを張れる事と、いつまでも寝ていられる事である。だから私は今日、ダラダラと朝寝坊したかったのに、無情な夫に、いつも通りの時間に起こされ、せきたてられるように水を汲みに行かされ、まるで、いたいけなアフリカの少女のようである。

朝食後はテントをたたんで、高知県営の船着場へ向かう。

種崎から長浜まで無料で渡し船に乗せてもらえるとは、このせちがらい世の中では夢のようなサービスである。歩き遍路の分際で乗り物に乗るなんて、ズルじゃないのかと思われそうだが、弘法大師様も渡し舟を利用したと考えられており、これは歩き遍路の正式なコースなのである。 と、そういう大義名分のもと、久しぶりに乗り物に乗れるのは嬉しい。

乗船後、すぐに船の前方へ行き、楽しい気持ちで浦戸大橋を見る。浦戸大橋は高さ50m。1972年に出来て、以前は有料通行だったが建設費償還後は通行無料になっている。橋からの投身自殺が相次いだので、あとから歩道に高いフェンスが設置されたそうだ。

現代の渡し船にはエンジンとスクリューが付いているせいで、乗船タイムは、すぐに終わってしまった。 残念だ。 無料なので、出来れば、もう1往復乗りたいくらいだったが、そんな事を言ったら、鬼のような夫に張り倒されそうなので黙っている。

長浜から、ほんの1.5kmほど歩くと33番雪蹊寺、更に6.3kmで34番種間寺なので、午前中に2ヶ寺の納経を終えた。寺と寺の間が何十キロも離れている区間を制覇するのも楽しいが、こんなふうにトントン拍子で周ることは、もっと楽しい。

堤防の大師堂前で昼食(と言っても、いつものインスタントラーメン)をとることにした。しかし、この場所は地元のかた達の犬の散歩コースになっていたようで、調理中も食事中も、散歩中のかたが何人も声を掛けてくださった。なかなか昼寝できる状況ではないので、食後は早々に35番を目指して歩き出す。

15時半に清瀧寺の納経を終え、18時、今夜も無料でテントを張れそうなポイントに到着した。

ここは、県道39号線沿いで、水洗トイレも東屋もある公園だが、わりと近い場所に墓地があり、照明は1基しかなく暗い。そして夜は交通量が激減して水車の水音しか聞こえない。

今夜も、トイレに行く時は夫を起こそうと固く心に決め、寝袋に潜り込む。

種崎千松公園→高知県営種崎渡し船乗り場→長浜渡し船乗り場→33番雪蹊寺→34番種間寺→35番清瀧寺→横瀬山ふもとの公園

今日の歩行距離  約 25.6km

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