20日目(2019.12.8)
今朝は、道の駅かわうそ須崎の、軒下に張ったテントで目覚めた。寒い。寒すぎる。12月初旬に平地に建っている道の駅軒下でテントを張らせてもらっていながら、こんなに寒がっていては、これからが思いやられる。野宿は今月下旬まで続ける予定だし、標高900m以上の山も登り下りする予定だから、もっと寒い場所でビバークする可能性もある。あまりにも寒いので、携帯で今朝の気温を調べたところ2℃らしい。夫は夜の寒さは平気のようで「全然寒くなかった♫ この寝袋はマイナス6℃迄大丈夫だから安心だ。シュラフカバーも有るから、まだまだ寒くなっても大丈夫だな。」と毎朝のように言うので、私は内心、チッと舌打ちする。
朝御飯を作って食べたあと、寒さに震えながらテントをたたんでいると、道の駅で働いているらしい65才位のおばちゃんが「ここで寝たの?寒くなかった?」と声を掛けてくれた。私は間髪入れず食い気味に「寒かったですー」と答えた。 すると「これ食べて。1人1袋ずつあげる。」と、食料が入っているらしい買い物袋を2袋くれた。何度も御礼を言って受け取ると、おばちゃんは「テントを張る時は、風が当たらない場所がないか、建物の周りを一周して、ちゃんと見て回らないとダメだよ。この裏に三方向が壁に囲まれている場所があるから、そこに張れば良かったのに。あんた達、ここを選んだのは失敗だったね。」と言った。そうだったのか。気温が低かったから寒かった訳じゃなくて、昨夜はテントを張る場所が悪かったから寒かったに違いない。本当は気温が低い日に、張る場所を間違ったのだが、テントを張る場所を間違ったから寒かったのだと思うと、今後の野宿の不安が少し薄らいだ。それにしても、食べ物をくれる人の注意を素直に聞けるのは、いったいどういう訳だろう。皆がそうなのか、私が特別食いしん坊で単純だからなのか、それは分からない。
とりあえず、おばちゃんから貰った食料をリュックに入れ、7時から歩き出す。
歩いているうち徐々に太陽が高くなり、気温も上がってきた。昼は、少し遠回りして道の駅中土佐近くの港で、いつものインスタントラーメンを作って食べた。私達は約20日前から平均1日2回位インスタントラーメンを食べている。初老のくせに、こんな食生活を送っていて大丈夫だろうか、生活習慣病が怖い、人生最後の旅になるかも等と時々不安になるが、自炊しながら歩いて旅行するには、軽くて安いインスタントラーメンがピッタリなので、欠点には目をつぶる。
午後も天気がいい。さんさんと照りつける太陽のもと山あいの舗装道路を歩き続け、中土佐町と四万十町の間に位置する七子峠(標高287m)の登り口に到着する。
獣道のような細い山道を慎重に進むと、次第に、片側は柵もない深い沢で、ところどころ道が崩落しているデンジャラスゾーンが多くなってくる。足を置く場所を少し間違えただけで、沢に転落しそうだ。「七子ちゃん、なかなかキビシイね。」等と言いながら登り続け、やっと峠に到達した時は夕方近くなっていた。
がんばったー
写真を見てビックリ。めっちゃ日焼けしてるやん! 帽子を深くかぶって、黒いサングラスかけてたのに役に立ってない! あーもう、シミ決定だわ…
影野駅(無人駅)に泊まれないか物色したあと、暗い道を歩いて道の駅あぐり窪川まで行く。18時にテントを張り、またラーメンを作って食べる。
そして、肥満、高血圧、糖尿病、シミに怯えながら寝袋に潜り込み、不安をかき消すように固く目をつぶった。
道の駅かわうその里須崎→道の駅中土佐近くの港→道の駅あぐり窪川(道の駅巡りではありません)
本日の歩行距離 約 30km
フォローする