15日目(2019.12.3)

今朝は田野町道の駅を6時40分に出発し、27番神峯寺を目指す。

神峯寺は、山の頂上にあって1本道なので、山の麓から頂上までの3.5kmの急な坂道をひたすら登り、また同じ道を辿って麓に降りてくる。

ところで、話は飛ぶが、夫はいつも英語の遍路地図を頼りに歩いている。勝手に見ている分には害は無いのだが、よく「ほら、ここ見てみろ、ここにこう書いてあるだろ。」とか「もう少し行くと、ここだろ?」とか言って、私にも無理矢理見せてくるから毎日閉口している。私は日本語で書かれた地図とガイドブックを持参しているから、英語の遍路地図なんか見たくもないし見る必要もないのだ。しかし、その迷惑千万な英語の遍路本が今日初めて役に立った。

「手ぶらで27番を往復」という見出しで、コウノミネという店のオーナーに荷物を預かってもらえないか聞いてみるといいよ。という、私の持参した遍路地図とガイドブックには書かれていない情報が書かれていた。(@_@)  おー、7kmの坂道を往復する間、店に荷物を預かってもらうとは、なんと厚かましくも魅力的なアドバイスだろうか。

田野町道の駅から山の麓まで5km弱歩いて行くとコウノミネを発見。

おそるおそる、お店の人に、荷物を預かってもらえないか尋ねると、なんとも気持ち良く「そこに置いといて構わないよ」と言ってくれるではないか!

ありがとうございます!(^人^)

私達は早速、17kgと13kgのリュックを預け、27番寺を目指した。

本来の遍路道は「まっ縦」と呼ばれる、とんでもなく急な山道らしいから、ジジババは、距離は長くても危なくない車道を選択し歩く。しかし、思っていたよりアスファルトの登り坂は急で、特に「神峯寺まであと1.4km」の標識から神峯寺までの間は、まるでデパートの立体駐車場の急坂を登り続けているようだった。もしこの急坂を、私達初老夫婦が、あの重いリュックを背負って登っていたら、バランスを崩して、急坂をどこまでもどこまでも2匹のダンゴムシのように転がり落ちて行っただろう。危ないところだった。

頂上の本堂から大師堂を見おろす。

無事に神峯寺で納経を済ませたあと、足をふんばりながら一歩一歩急坂を降りるのも、また大変だった。

無事に下山できたのは、コウノミネで荷物を預かってもらえたお陰としか思えない。

コウノミネは土産物店で喫茶店でもある。私達は荷物を預かって貰った御礼を言って、菓子を買い、コーヒーを飲んだ。

重い荷物を預かってもらえたので、わずかではあるが、お金を使わせてもらう。

この世はギブアンドテイクである。

しかし、見返りがあるかどうか分からないのに、見ず知らずの人間にギブする行為は尊いと思う。コウノミネは、英語の遍路本に紹介されているから、荷物を預かってもらった後「サンキュー」と御礼を言っただけで去って行く外国人も多いだろう。

そんな事が続いたら、私ならタダで荷物を預かる事がバカバカしくなって、そのうち荷物預かり代を徴収し始めるだろう。

しかしオーナーは、そんなセコイ事をせず、荷物預かりのお接待を続けているのだ。本当に頭が下がる。

今日は急坂の登り下りで体力を使ったため、ジジババのライフポイントは下がり、あとは惰性で28番寺に向かって海岸沿いの国道を歩き続けた。

橋から河原を見下ろしたら、私達の影が ♫

夕方、浜辺でテントを張ろうと思い、食事の準備をしつつ強風の中、夕陽を見ていると

地元の方が「駅のほうが水場もトイレもあるし、風も当たらないから、そっちにテント張ったほうがいいよ。」と教えてくれた。

四国の人達は、どうしてこんなに優しいのか。皆が親戚のように親切だ。

本当にありがたい。感謝しつつ、風の当たらない駅の東屋でテントを張り、食後、寝袋に入る。

田野町道の駅→神峯寺→安芸市球場前駅

本日の歩行距離  約 23.2km

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15日目(2019.12.3)” に対して2件のコメントがあります。

  1. コイケ より:

    だんご虫でまた笑った(笑)

    所々笑えるから楽しく読ませてもらってます♥️

    1. kenchako より:

      コイケさん、コメントありがとうございます。とても励みになります( ;∀;)

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